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コクワガタ(Dorcus rectus)の分類 クワガタムシ科(Lucanidae)
コクワガタ(Dorcus rectus)の概要 Dorcus

コクワガタ(Dorcus rectus)

【 学名 】
Dorcus rectus (Motschulsky, 1857)

基本情報

大きさ・重さ

雄:17.8~54.4 ㎜ 雌:21.6~33.0 ㎜
長径 1.8 ㎜×短径 1.5 ㎜の回転楕円体

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最終更新日:2020-05-26 瀬戸内味わいにぼし

活動時期

5月下旬~10月

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分布

D. r. rectus (原名亜種):北海道、本州、四国、九州、佐渡、隠岐、対馬、五島列島、粟島、伊豆諸島(大島、利島、新島、式根島、神津島、三宅島、御蔵島)、朝鮮半島(韓国、済州島、鬱陵島)、中国、台湾
D. r. miekoae (八丈島亜種):伊豆諸島(八丈島)
D. r. mishimaensis (男女群島・大隅諸島・口永良部島亜種):男女群島、大隅諸島(口永良部島、竹島、硫黄島、黒島)
D. r. yakushimaensis (屋久島亜種):甑島列島、大隅諸島(屋久島、種子島、馬毛島)
D. r. kobayashii (吐噶喇列島亜種):吐噶喇列島(中之島、諏訪之瀬島、臥蛇島、悪石島)

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学名の解説

種小名「rectus」は「まっすぐ」という意味。大あごの形状から。

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亜種

D. r. rectus (Motschulsky, 1857) 原名亜種

D. r. miekoae (Yoshida, 1991) 八丈島亜種
原名亜種と比べて、雄雌共に褐色で鈍い光沢があり、雄の大あご、体、脚はやや細長い。

D. r. mishimaensis Tsuchiya, 2003 男女群島・大隅諸島・口永良部島亜種
原名亜種と比べて、雄雌共に褐色で鈍い光沢があり、雄の体はやや細く、大あごはやや細長い。

D. r. yakushimaensis Tsuchiya, 2003 屋久島亜種
原名亜種と比べて、雄雌共に体は赤褐色。
雄の体はやや幅広く、大あごもやや太短い。
原名亜種を除く他3亜種に比べて体の表面の光沢は弱く、ツヤ消し状。

D. r. kobayashii (Fujita et Ichikawa, 1985) 吐噶喇列島亜種
原名亜種と比べ、雄は褐色で光沢があり、大あごと脚はより細長く、雌は黒褐色から黒色で光沢がある。
最も光沢の強い亜種。

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形態

成虫の形質

体色は暗褐色から黒色。


体は鈍い光沢をもつ。
大あごは平たく、細長く前方に伸張し、先端付近で内側に湾曲する。
中央よりやや前方に大きな1本の内歯、先端付近に小歯がある。
内歯は体のサイズに比例して小さくなり、極小個体では消失する。
頭楯は幅が広く、前縁は弱く湾入し、中央でわずかに突き出る。
複眼の縁取りは複眼の前半部を覆う。
前胸背板は、側縁の形状はスジクワガタにほぼ準じるが、幅はより広い。


体は光沢をもつ。
大あごは細くほぼ直線的。
頭部は、眼縁突起が側方へ突出し、頭楯はほぼ台形。
前胸背板は、やや幅広く、中央やや後方で最も幅が広い。
側縁は、最広部より前方は緩やかに湾入し、後方は斜めに切れ込む。
上翅に点刻からなる縦条があるが目立たない。

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幼体の形質

腹端末節の毛群はY字状で平行部が長く狭い。
肛門丘の背中側の輪郭は曲線を描く。
大あごの外縁は曲線的で基部の幅は狭い。
頭骸の一対の毛穴は細長く、「逆ハの字」状に並ぶ。

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卵の形質

淡黄褐色の回転楕円体。

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似ている種 (間違えやすい種)

雄:スジクワガタ、アマミコクワガタ 
雌:ヒラタクワガタ、スジクワガタ
幼虫:クワガタムシ類幼虫

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生態

成虫の食性

広葉樹の樹液

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幼虫の食性

木材腐朽菌の菌糸。

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成虫の天敵

カラス
クワガタナカセ Haitlingeria longilobata という便乗ダニが寄生。

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幼虫の天敵

コメツキムシ類やオオイシアブの幼虫によく捕食される。
アカスジツチバチに寄生される。

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活動時間帯

夜間に活動し、昼間は樹木の根際の土中に潜んでいることが多いが、初夏と秋には昼間にも活動し、また、山地に生息するものは昼間に活動する。

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産卵

雌は乾燥傾向の腐朽木を好み、生木の腐朽部、立ち枯れの地上部、倒木表面などをはじめ、極めて乾いた日向の細めの倒木にも産卵し、立ち枯れ根部や半埋没木など水分含有量の多いものはあまり利用しない。
雌は朽木表面に産卵孔を掘り、その中に卵を一個産み付け、その後木くずで産卵孔をふさぐ。
その後、産卵孔の周囲を囲むように円形の噛み傷をつける。

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関連情報

その他

染色体数と性決定様式は 2n=18、NeoXY
野外でヒメオオクワガタ、オオクワガタとの種間雑種が得られている。

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種・分類一覧