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ニイニイゼミ(Platypleura kaempferi)の分類 セミ科(Cicadidae)
ニイニイゼミ(Platypleura kaempferi)の概要 Platypleura

ニイニイゼミ(Platypleura kaempferi)

【 学名 】
Platypleura kaempferi (Fabricius, 1794)

基本情報

大きさ・重さ

成虫全長:雄 32〜38 mm, 雌 34〜39 mm
成虫体長:雌雄ともに 20〜26 mm
(林・税所, 2015, p. 35)

参考文献

  • 2015 改訂版 日本産セミ科図鑑 詳細解説、形態・生態写真、鳴き声分析図 - 書籍全体, 林正美、税所康正(著) 改訂版 日本産セミ科図鑑 詳細解説、形態・生態写真、鳴き声分析図. 誠文堂新光社. .

最終更新日:2020-06-25

活動時期

6月末〜9月中旬 (林・税所, 2015, p. 35)

参考文献

  • 2015 改訂版 日本産セミ科図鑑 詳細解説、形態・生態写真、鳴き声分析図 - 書籍全体, 林正美、税所康正(著) 改訂版 日本産セミ科図鑑 詳細解説、形態・生態写真、鳴き声分析図. 誠文堂新光社. .

最終更新日:2020-06-25

分布

北海道・本州・四国・九州・沖縄本島。国外では朝鮮半島・中国・台湾。(林・税所, 2015, p. 35)

参考文献

  • 2015 改訂版 日本産セミ科図鑑 詳細解説、形態・生態写真、鳴き声分析図 - 書籍全体, 林正美、税所康正(著) 改訂版 日本産セミ科図鑑 詳細解説、形態・生態写真、鳴き声分析図. 誠文堂新光社. .

最終更新日:2020-06-25

生息状況

東京の都心では1960年代までは多かったが次第に減少。1975年頃から目立って減ってきたが最近は再び増加傾向にある。(税所, 2019, p. 20)

参考文献

  • 2019 セミ ハンドブック - 書籍全体, 税所康正(著) セミ ハンドブック. 文一総合出版. .

最終更新日:2020-06-25

分類学的位置付け

昆虫綱 カメムシ目 セミ上科 セミ科 セミ亜科 ニイニイゼミ族 ニイニイゼミ属 ニイニイゼミ

(税所, 2019, p. 18)

参考文献

  • 2019 セミ ハンドブック - 書籍全体, 税所康正(著) セミ ハンドブック. 文一総合出版. .

最終更新日:2020-06-25

形態

成虫の形質

小型のセミで開長は 65〜71 mm。胸背の斑紋の大きさや色彩には変異が多く、緑色系、赤色系 (橙色系) 、灰色系やこれらの中間的なものがある。生きているときは複眼は灰色〜灰褐色で、擬瞳孔が顕著に見られる。前翅には暗褐色〜灰褐色の雲状紋がある。基本的に雲状紋は同属の他種と比べると大きく、先端部の紋は互いにつながるが、小さくなり分離するものや、基部付近に広く灰白色を持つものなど、個体変異がある。

参考文献

  • 2015 改訂版 日本産セミ科図鑑 詳細解説、形態・生態写真、鳴き声分析図 - 書籍全体, 林正美、税所康正(著) 改訂版 日本産セミ科図鑑 詳細解説、形態・生態写真、鳴き声分析図. 誠文堂新光社. .
  • 2019 セミ ハンドブック - 書籍全体, 税所康正(著) セミ ハンドブック. 文一総合出版. .

最終更新日:2020-06-25

幼体の形質

幼虫は皮膚全体に泥が付着しているが、これは乾燥を防ぐためだと思われる。(税所, 2019, p. 22)

参考文献

  • 2019 セミ ハンドブック - 書籍全体, 税所康正(著) セミ ハンドブック. 文一総合出版. .

最終更新日:2020-06-25

地理的変異

トカラ列島では黒化が著しい個体が多い。宝島産の個体は全体的に暗化し、胸背の紋も細く、暗赤褐色を呈する。三宅島産の個体は前翅がやや短い。また、沖縄本島産の個体は鳴き声がやや低音である。(林・税所, 2015, p. 35)

参考文献

  • 2015 改訂版 日本産セミ科図鑑 詳細解説、形態・生態写真、鳴き声分析図 - 書籍全体, 林正美、税所康正(著) 改訂版 日本産セミ科図鑑 詳細解説、形態・生態写真、鳴き声分析図. 誠文堂新光社. .

最終更新日:2020-06-25

似ている種 (間違えやすい種)

クロイワニイニイ・ミヤコニイニイ・ヤエヤマニイニイ・チョウセンケナガニイニイ
(税所, 2019, p. 22)

参考文献

  • 2019 セミ ハンドブック - 書籍全体, 税所康正(著) セミ ハンドブック. 文一総合出版. .

最終更新日:2020-06-25

生態

成虫の生息環境

種々の樹木に生息し、サクラやケヤキを好む。地域によってはビワやミカンの果樹園に大発生することがある。(林・税所, 2015, p. 35)

参考文献

  • 2015 改訂版 日本産セミ科図鑑 詳細解説、形態・生態写真、鳴き声分析図 - 書籍全体, 林正美、税所康正(著) 改訂版 日本産セミ科図鑑 詳細解説、形態・生態写真、鳴き声分析図. 誠文堂新光社. .

最終更新日:2020-06-25

成虫の食性

植物の樹液 (導管液) を吸う。

参考文献

  • 森山実 2015 Ⅰ 生態一般, 林正美、税所康正(著) 改訂版 日本産セミ科図鑑 詳細解説、形態・生態写真、鳴き声分析図. 誠文堂新光社. 20.

最終更新日:2020-06-25

幼虫の食性

成虫同様、植物の樹液 (導管液) を吸う。

参考文献

  • 森山実 2015 Ⅰ 生態一般, 林正美、税所康正(著) 改訂版 日本産セミ科図鑑 詳細解説、形態・生態写真、鳴き声分析図. 誠文堂新光社. 20.

最終更新日:2020-06-25

成虫の天敵

鳥類の他、カマキリやヤブキリ、スズメバチ (特にモンスズメバチ) 、アリなどの昆虫類やオニグモ、コガネグモなどのクモ類、多足類のオオムカデ類やゲジ類などに捕食される。また、寄生者としてセミヤドリガなどが知られている。

参考文献

  • 林田直哉 2015 Ⅱ 天敵, 林正美、税所康正(著) 改訂版 日本産セミ科図鑑 詳細解説、形態・生態写真、鳴き声分析図. 誠文堂新光社. 24~26.

最終更新日:2020-06-25

発音(鳴き声)

"チーーーー"と長く延ばした声で鳴き、ピッチを次第に下げて、急に上げて戻す、を繰り返す。鳴き始めや鳴き終わり、間奏音には "チッ, チッ, チッ, …" という断続音で鳴く。(税所, 2019, p. 21)

参考文献

  • 2019 セミ ハンドブック - 書籍全体, 税所康正(著) セミ ハンドブック. 文一総合出版. .

最終更新日:2020-06-25

ライフサイクル

成虫は6月末から9月中旬にかけて出現するが、8月後半になると個体数が激減する。産卵された卵はその年の秋に孵化し、幼虫期は約4年である。

参考文献

  • 林正美 1996 セミ類, 日高敏隆(監修) 石井実、大谷剛、常喜豊(編) 日本動物大百科8:昆虫Ⅰ. 平凡社. 133.
  • 2015 改訂版 日本産セミ科図鑑 詳細解説、形態・生態写真、鳴き声分析図 - 書籍全体, 林正美、税所康正(著) 改訂版 日本産セミ科図鑑 詳細解説、形態・生態写真、鳴き声分析図. 誠文堂新光社. .
  • 2019 セミ ハンドブック - 書籍全体, 税所康正(著) セミ ハンドブック. 文一総合出版. .

最終更新日:2020-06-25

活動時間帯

夜明け前から鳴きだし、夕方薄暗くなるまで断続的に鳴く。街灯の周辺では夜中にも鳴くことがある。(税所, 2019, p. 21)

参考文献

  • 2019 セミ ハンドブック - 書籍全体, 税所康正(著) セミ ハンドブック. 文一総合出版. .

最終更新日:2020-06-25

生殖行動

雄は近くに止まった雌に誘い鳴きをしながら、後方から歩いて接近し前脚で雌の翅を数回叩いて交尾を誘導する。交尾の体勢は通常反向型である。(税所, 2019, p. 22)

参考文献

  • 2019 セミ ハンドブック - 書籍全体, 税所康正(著) セミ ハンドブック. 文一総合出版. .

最終更新日:2020-06-25

特徴的な行動

幼虫は触れると擬死 (死んだふり) を行うことがある。(税所, 2019, p. 22)

参考文献

  • 2019 セミ ハンドブック - 書籍全体, 税所康正(著) セミ ハンドブック. 文一総合出版. .

最終更新日:2020-06-25

その他生態

脱皮殻は木の根元、20 cm 以下の場所に多く見られる。(税所, 2019, p. 22)

参考文献

  • 2019 セミ ハンドブック - 書籍全体, 税所康正(著) セミ ハンドブック. 文一総合出版. .

最終更新日:2020-06-25

種・分類一覧